浦安藝大は、8月21日(水)に文化会館大会議室と浦安公園周辺で、ワークショップ「浦安ペインティング」を行いました。
夏休みも終盤を迎えていた当日、多くの小学生が参加しました。
今回のワークショップの目的は、「違うことって楽しいことなのではないか?」ということを、再認識することです。
誰かと話しをしていると、考え方の違いから話しが噛み合わないことや意見の対立などが生じてしまうことがあります。それが原因で、喧嘩や仲間はずれが起こってしまうことは、子どもに限らず人が集まればどこにでも起こりうることです。
しかし、そもそも誰かと話しをしていて面白いのは、自分の知らないことや、自分とは違う考えを聞くことができるからではないでしょうか。違う考え方のなかにも共感できる部分があれば、さらに喜びや嬉しさを感じることもあるでしょう。
すなわち、自分が感じていることと、他人が感じていることを共有する面白さは、その「違い」を前提にして生まれているのではないでしょうか。
「浦安ペインティング」では、その人らしさに焦点を当て、違いを楽しむことを目的にしていきます。
ワークショップ開始
まず、自分の気持ちを考えていくにあたり、みんなで色と感情の関係を考えていきます。
参加した子どもたちに今の気持ちを尋ねると、ワークショップを目前に「ワクワクしている」、「楽しい気持ち」という言葉が出てきました。
しかし、色に置き換えてみるとどうでしょう。同じ「ワクワク」という言葉だったのが、ある子は黄色、ある子は青、ある子はピンクを選びました。
なぜその色を選んだのか尋ねてみると、黄色の子は「キラキラしていて楽しい感じがするから黄色」、青の子は「青が好きだから、私にとって青はワクワクする色」、ピンクの子は「春みたいな色で、ピンクを見ているとワクワクする」など、ワクワクや楽しさのニュアンスに違いがあることに気付きました。
傘づくり
次に、浦安公園をどんな公園にしてみたいのか、それを色であらわすとどんな色になるのかを考えながら、傘に色付けしていきます。
どこにでもあるビニール傘が、それぞれの自由な発想で、個性豊かな傘に変化していきます。
傘を持って浦安公園へ
できあがった傘を持って文化会館を出ます。目の前に広がる浦安公園の景色から、お気に入りの風景や自分の色付けしたい場所を選んで、写真を撮ります。
いつも見ている風景に色付けすることで、違った景色が見えてきます。
作品の鑑賞会
浦安公園から文化会館に戻り、自分の撮った写真に題名をつけて発表します。
どうしてこんな色にしたのか。どうしてこの風景を選んだのか。など言葉にしてみます。
「言葉にできない気持ちだから、色にして表現していたんじゃないの?」という言葉に、感想を聞いたスタッフもハッとさせられました。
感情や、そのときの素直な気持ちを言葉にすることは、子どもに限らず大人でも難しいことです。
自分の気持ちを「楽しい」や「面白い」という単純な言葉に置き換えることはできても、私たちは違う人間である以上、その対象やイメージ、度合いなど、必ず異なるはずです。私たちは言葉という道具を通して、その一部を共有している気になっているに過ぎないのかもしれません。「浦安ペインティング」は、同じと思えることでも実は「違い」があり、しかしその違いは怖いものでも、不快なものでもなく、面白いということを伝えられたらと思い企画しました。
「違い」は面白いという考えが浸透すれば、仲間はずれがなくなると信じています。