ゴールデンウィークのスタートとなった2日間は、天候にも比較的恵まれたこともあり、2,500名を越える市民の皆さんがブースに立ち寄ってくださいました。

▲当日の浦安公園の様子。浦安藝大のブースは側面の大きな横断幕が目印。

特に2日目は、夏を思わせるような日差しにフィルムを貼った傘や、道路に反射した浦安藝大のロゴのカラーも眩しく、スタッフのテンションも上がった状態で、市民の皆さんとのコミュニケーションを楽しみました。

▲フィルムを貼った傘や、道路に反射した浦安藝大のロゴのカラー。

ブースでは、「浦安ペインティング」と題して7色のカラーフィルムを用意し、参加者には好きな3色を選んでいただきました。その3色を浦安藝大オリジナルの単語帳のようなカード一式にリングで綴じて、手順書とともにお渡ししました。

▲選んだカラーフィルムをスタッフがリングで綴じます。

参加者は好きな色のフィルムを使っていつも見慣れた街を覗きながら、景色をペインティングするかのように、即席アーティストになったつもりで街に色をつけていきます。そしていつもと違って見えてくる光景をスマホで撮影してみる、それをSNSで共有する、という仕組みです。

▲カラーフィルムの使い方の説明。フィルムを重ねて混色したり、スマホにかざして撮影したりする。
▲カラーフィルムを通して撮影した写真。

ブースで色を選ぶことから始まるアクションを楽しみながら、「浦安という街を改めてよく見る」ことで「当たり前を見直す」、「自分の感じた景色を撮影する」ことで「自分の視点や表現を大切にする」、「SNSなどで共有する」ことで「他の皆さんの表現に触れながらお互いの個性を認め合い、関心を持つ」ことを体感していただきたい、という思いを込めました。つまり、浦安市内のさまざまな地域から来る市民が交わる場で、地理的な制限を超えたSNSで市民がゆるやかにつながり、様々な個性あふれる表現を共有する、ということです。普段生活している中のなにげない景色と場所は、他の誰かにとっても共有し合える景色と場所であり、でもお互いの視点や気持ちが違う景色と場所でもあるかもしれない。そこから共感や関心が生まれるかもしれません。

▲ブース内に展示された、多くの人の感じた景色。

社会課題をアートで市民と共に考える場を作りたい、と願う浦安藝大はその生活の場である浦安の見慣れた景色をカラーフィルムでペインティングし、表現を交換する楽しさを、孤立いじめ児童虐待など、今日的な社会課題の「予防」として「つながる・認め合う」機会と捉えました。

▲社会課題をさまざまな視点で捉え直すのに、アートが活用できると考えます。

協力、ネットワーク、相互関係を生み出す円滑なコミュニケーションができる絆づくりには、個人が肯定され、その人らしさや考えを共有でき、認め合う関係づくりが重要です。このような関係づくりは市民とともに課題を考える際に必要な環境です。

2024年度の浦安藝大ではさまざまな活動を予定していますが、市民の皆さんと一緒にこうした社会課題を考えていく場をなるべくたくさん設けたいと考えています。

「あなたはひとりじゃない」みんなで支えあう社会をアートを通して考えていきましょう。