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樫村芙実+樫村研究室では、浦安の課題としてあげられた「防災と水害」を起点に、浦安市の地形や水、公園などをキーワードに身体をつかった観測を進めてきました。その過程で注目したのが、開発以前や開発途中の市内に存在していた「ミチニワ」です。時代の流れにより、現在ではほとんど見ることはなくなった「ミチニワ(道庭)」は、誰かと誰かの移住空間の間にあり、周囲との関係性を繋いでいた場所でもありました。「ミチニワ」のような場所は今どこにあるのか、そこで辿り着いたのが公園の持つ多様な役割でした。
インタビュー〜リサーチ編〜はこちら)

まちなか展示「ミチニワと観測所」 会場|明海の丘公園、旧大塚家住宅

展示「ミチニワと観測所」では、メンバーが実施した観測を基に、日常的に起こっている自然現象を視覚化し、市民が身体で感じることができる「観測所」を明海の丘公園に制作しました。「観測所」は、市民のみなさんと「防災」や「水害」などの課題やこの地域ならではの環境への新しい視点を学びあい、自然をとおして交流できる「ミチニワ」のようなコミュニティの場としても機能することを目指しました。

▲微気候観測所(明海の丘公園)

旧大塚家住宅では、これまで樫村芙実+樫村研究室が行ってきた観測や制作してきた資料、議論し合ってきたこれまでのアーカイブを展示しました。

▲リサーチのパネルや模型(旧大塚家住宅)

〈活動中に行ったワークショップ〉

身の回りの環境に目を向け、少し未来の気象を予測することで防災意識を高めるため、「ヤネ」をテーマに3回のワークショップを行いました。

「ヤネをさがそう」2023年10月1日(日) 場所|日の出公民館、明海の丘公園

明海の丘公園を舞台に、風向きなどを観測しながら自分たちだけの「ヤネ」をつくるワークショップ。自分の居場所を意識しながら公園にヤネをつくることで、自然現象と自分が住む場所の関係性を意識することに繋げます。


「ヤネをうかそう」2023年10月19日(木) 場所|明海の丘公園

明海の丘公園に立ち上がった観測所の完成のため、みんなで「ヤネ」取り付けるワークショップ。まちなか展示期間に、身近な自然現象を観測しながら、公園にきた人たちの新たな交流を生むための場をみんなでつくり上げました。


「ヤネと空のあいだ」2023年11月5日(日) 場所|日の出公民館

気象予報士として活躍する斉田季実治さんをゲストに、天気と防災(水害)の関係について考えるワークショップ。ヤネと空の間で起こっていること、雲や風について身体を使いながら学ぶことで、日常的に地域のことを思考するきっかけづくりになりました。