東京藝術大学Diversity on the Arts Project (DOOR)の「ドキュメンタリー映像演習」を受講する藝大生と社会人が、浦安の“あきない”をテーマに、市内の個人商店をグループで取材し、ドキュメンタリー映像を制作しました。完成した映像作品は、市民プラザWave101にて、制作者、取材先、講師によるトーク付き上映会を行うとともに、取材先近くの市内の公民館でも上映を行いました。
インタビュー〜フィールドワーク編〜インタビュー〜振り返り編〜はこちら)

「トーク付き上映会」2024年2月10日(土) 場所|市民プラザWave101

作品の上映の後、出演者、制作者、鑑賞者が「浦安」に対する発見や気付き、今後の日常の変化について語り合いました。

【Trailer】浦安アートプロジェクト「浦安藝大」ドキュメンタリー映像作品上映会「現像される街、お店」

「まちなか上映会」2024年2月14日(水)ー2月18日(日) 場所|高洲公民館、中央公民館、富岡公民館

取材先の近隣の公民館でループ上映を行うことで、公民館を利用する方々に映像を見ていただく機会になりました。


《住宅街の小料理屋 ~萌寿の女将江森さん~》取材先|小味庵·萌寿 16分

浦安の住宅街にぽつんと灯る看板。静かな住宅街に今日もなじみや通りすがりの客が集う。女将の江森さんは、東日本大震災後にこの店を始めた。店内には、全国の酒蔵や試飲会に足を運んで求めた美酒の数々や、酒に合う料理が並ぶ。女将に、日本酒への思いや、なぜこの店を始めたのかについて語ってもらい、お客さんとの和やかなやり取りの中で分かる人柄も併せて探ってみた。

  • 出演|江森由美子 小味庵·萌寿をご利用されているお客さま
  • 声の出演|中村美
  • 撮影協力|小味庵・萌寿(入船4丁目22−3)

《つながりのカタチ》取材先|でんきのエルク 19分

2023年10月上旬。浦安市で2代39年「街のでんきやさん」を続けているでんきのエルクを訪れました。「街のでんきやさん」とは一体何か、街の中でどのような役割を果たしているのか、この映像を通じて考えていきます。そして彼らはどのような思いを持ち、どのような仕事を行っているのでしょうか。日頃、街のでんきやさんを利用しない私たちには、わかりそうで、でもやっぱり、すんなりとは表しづらいこと、これをテーマに据えて制作しました。

  • 出演|吉田達也 吉田淳子 エルクをご利用されているお客さま エルク関係者のみなさん
  • 撮影協力|株式会社エルク

《白いエプロン》取材先|白いエプロン 21分

埋立でできたばかりの住宅地“高洲地区”で一人の主婦がはじめた宅配弁当「白いエプロン」。地域に家庭の味を届けたいと早朝から手間をかけたお弁当づくりをしている。配達先は、車両工場、市役所、医院、事業所、そして各ご家庭と様々。一個から配達する弁当はご高齢で独居の方々にも喜ばれている。本作品は、普段なかなか覗けない家族とスタッフが切り盛りする「白いエプロン」の裏側にスポットを当てたものとなっている。

  • 出演|相馬薫 相馬公忠 相馬克年 相馬里江 仲波とく子 池田佑佳 安田カティウスカ 横山ちひろ 岩村由乃 本川恵子 高橋英之(特定非営利活動法人LEED理事長) 生活介護施設「スマイル」利用者のみなさん
  • 撮影協力|白いエプロン 遠藤孝一(ヘアサロンスカイ) 白いエプロン宅配弁当愛好者のみなさん

《あきないふたり》取材先|富岡 美好  16分

浦安市富岡に、老舗和菓子屋「富岡 美好」はある。創業から40年以上、地元の人達に愛されながら、夫婦二人三脚で毎日手づくりの和菓子を提供してきた。和菓子には店主の細やかな工夫が施されており、手に取れば目にも舌にも甘美な日本の四季を愉しむことができる。なぜ「富岡 美好」の和菓子はここまで長く愛され続けているのか。夫婦ふたりのあきないのかたちを取材した。

  • 出演|中島敬三 中島ひとみ 美好をご利用されているお客さま
  • 撮影協力|富岡 美好(富岡4丁目8−1)

《堀越さんと飯田さん》取材先|中村機材 14分

日本を代表する鉄鋼団地である浦安鉄鋼団地で溶断を専門とする会社、中村機材を取材した。話を伺う中で、我々は新人の若手職人と彼を教えるベテラン職人に出会った。工場では寡黙な職人にみえる彼らに対して、数ヶ月に渡る取材を重ねているうちに、素顔や関係性の変化が浮かび上がってきた…。技術を継承していくふたりの職人の物語。

  • 出演|堀越さん 飯田さん 田口さん 中村さん 中村機材のみなさん
  • 撮影協力|中村機材(鉄鋼通り1丁目4−9)

《豊田たばこ店》取材先|豊田たばこ店 28分

豊田やすさん、大正12年に生まれて浦安で一世紀。戦中戦後を生き抜き、昭和46年に猫実で娘の清子さんと商売を始めた。無我夢中の商いは時流に乗るが、まちの変化とともに移ろう。平成から続く長い陰りに、令和のコロナ禍が追い打ちをかける。創業当時を回想して描いた街の地図、公園で出逢った家族が辿り、想い出が交錯する。時折の散歩で隣人と交わる日常。時代に背を向けたようなお店に、新町から清子さんが通う日々が続く。

  • 出演|豊田やす 豊田清子 井上司 井上一代 井上円 井上周
  • 撮影協力|豊田たばこ店(猫実2丁目23−15)

※作品解説テキストは各制作グループによるもの