12月6日(日)、浦安市民プラザWave101大ホールにて、ワークショップ「オトカタライ」を開催しました。浦安藝大初となる音楽分野のイベントには、80名を超える市民の方にご参加いただきました。「オトカタライ」とはどんなワークショップなのでしょうか。本日はワークショップの様子も踏まえつつ、オトカタライについて紹介します!

会場に並べられたいくつものマット
会場には通常の演奏会で見られるような「椅子」だけでなく、床に「マット」がいくつも敷かれています。「オトカタライ」では、静かに聴くだけではなく、マットで寝転んだりしながら自由に音や音楽を楽しむことができます。企画アーティストの市川さんはこのスタイルを「地ベタリアンスタイル」と呼びます。「できる/できない」ではなく、音や音楽を通して、皆が自由で、お互いを認め合い、個性として尊重する空間が創られていきました!

今回のテーマ 「ド」
「ド」は「ドレミ・・・」のように始まりの音であること、「オトカタライ」もこれから「ド」「レ」「ミ」と続けていけるようにという思いを込めて「ド」がテーマになっていました。今回のワークショップでは「ド」の音をテーマにプログラムが構成されていました。

まず、テーマとなった「ド」にちなんで、《ロジャース作曲:ドレミの歌》から始まり、誰もが聴いたことのあるドレミの歌を皆で歌いました。その後、さまざまな楽器の音楽家が一人ずつ同じ高さの「ド」の音を奏でてみると、同じ高さの音でもそれぞれの楽器の音色や響きが違い、参加者の皆さんは釘付けになっていました!
その後は、一曲の間ずっとヴィオラが「ド」の音を演奏する《パーセル作曲:1つの音に基づく5声のファンタジア》が演奏されました。日常生活の中で「ド」の音を探してみると、冷蔵庫が開けっぱなしになっている時の音、炊飯器のご飯が炊けた時の音、電子レンジや加湿器のボタンの操作音など、日用家電の中で「ド」の音がたくさん使われているというお話もありました。他にもあるか、探してみると面白いかもしれませんね!

聴き慣れた曲も音の重なりやリズムが変わると、、、!?
その後は、《モーツァルト作曲:きらきら星変奏曲より》とピアノ6重奏阪の《きらきら星変奏曲より》へ。きらきら星のメロディーに違う音を重ねたり、リズムに変化を加えてみたりすると、誰もが頭に残っているきらきら星が色んな表情に変化していきました。

カタライタイム
ワークショップの中盤には、カタライ(語らい)の言葉のとおり、隣に座った人と話をしたりする時間「カタライタイム」がありました。「音や音楽を聴く」という共通の体験を通して心がほぐれていくと、初めて会った人同士でも、話が弾んでいたことが印象的でした。「カタライタイム」の中では、楽器に触れてみる体験も行われました。

音楽の拍子は歩き方?
ここまでのワークショップで楽器の音色やリズムの変化で音楽が変わっていくことを感じていましたが、さらに「拍子」についてワークショップは展開していきました。「ド」の音の作品の中でも、いろんな拍子があることで音楽の「足どり」が変わるということを2024年に再発見された作品《モーツァルト作曲:ガンツ・クライネ・ナハトムジーク》を聴いて感じることができました。「拍子」について市川さんは次のように語っていました。”音楽のテンポが歩くスピードなら、「拍子」というのは、歩き方そのものに近いです。ゆっくりお散歩みたいに一歩ずつ歩く音楽もあれば、ダンスみたいに軽やかにステップする音楽もあります。”

皆で演奏!
《ハイドン作曲:おもちゃのシンフォニーより》では、音や音楽を聴くだけでなく、リズムにのってマラカスを振りながら会場全体で一緒に演奏しました!これまでの打ち合わせで、市川さんが「音楽は誰でもどこからでも参加できる」と言われていたことが思い出されました。

振動で音や音楽を感じる!?
フィナーレには、《ベートーヴェン作曲:ピアノコンチェルト第1番第1楽章より》が演奏されました。最後の曲では皆で風船を持って聴きました。すると!風船から振動を感じることができたのです!私たちは、音や音楽を耳から聴いているだけでなく、身体全体で浴びながら聴いているのだということを実感することができました。会場に流れる音色は息を呑むほど美しく、清らかで、会場全体で自然と感動が沸き起こっていました!

市川さんは「オトカタライ」について、次のように語られていました。
”「オトカタライ」とは、音楽の「オト」と「語らう」を合わせた造語で、音や音楽と、大切な人と「語り合う」体験になればという思いを込めています。”
市川さんの思い通り、参加者からは、「音を初めて振動で感じてみて、耳で聴くよりも身体に伝わってくる感じがして感動しました。」や、「今日初めて会った人とも少し話ができて、一緒に感動を分かち合えた感じが、なんだか嬉しかったです。」などの声がありました。
「オトカタライ」がこれから「ド」「レ」「ミ」と続いていく中で、どのように人の交わりが膨らんでいくのか楽しみです。