11月27日に、浦安藝大のキャリア教育第2回を実施しました。今回は、ミヤタユキ先生(ROKUROKURIN合同会社代表/アーティスト/コーディネーター)と布下翔碁先生(アーティスト・浦安藝大事務局長)が浦安中学校を訪れ、講演とワークショップを行いました。前半は、それぞれのこれまでの活動についての講演、後半はミヤタ先生によるワークショップです。
アートに関わる立場や関わり方の違いを、具体的な話や体験を通して知る機会となりました。

布下翔碁先生×工芸

布下先生は、アーティストとして普段どのような作品を制作しているのかについて紹介しました。
欠けてしまった古い器を、陶芸や漆の技法で修復し、新たに欠けた部分をつくり直す制作について、工程や考え方を説明します。あわせて、工芸の道を志したきっかけや、現在、浦安藝大の事務局長としてどのような仕事をしているのかについても触れました。講演では、実際に制作に使う金粉や材料、作品を手元のカメラで映しながら解説。画面に映る素材に、生徒たちからは思わず声が上がります。休み時間には、作品を実際に手に取って見たり、藝大での学生生活について質問する生徒の姿も見られました。

ミヤタユキ先生×アートプロジェクト

ミヤタ先生は、アートへの関わり方は「作品をつくる人」と「見る人」だけではない、という話から講演を始めました。アートプロジェクトとはどのようなものなのか。人や地域とどのように関わりながら進められていくのか。「SCOI- 水府コイノボリプロジェクト -」や「茨城県北芸術祭2016」など、これまで関わってきたプロジェクトを紹介しながら、コーディネーターという立場や、アートが社会に開かれていく過程について話しました。

ワークショップ「SCOI-スコイ- 」を体験する

キャリア教育の後半では、ミヤタ先生がアーティストとして10年以上続けている、水府コイノボリプロジェクト「SCOI-スコイ-」を、浦安中学校の生徒たちと実際に体験しました。
SCOI-スコイ-は、茨城県常陸太田市水府地区で毎年行われている「鯉のぼりまつり」をきっかけに始まったプロジェクト。全国から集まる鯉のぼりの中には、破れや色落ちなどで役目を終え、処分されてしまうものもあります。そうした鯉のぼりを素材として活用し、しっぽから頭までアートにしよう!というアートプロジェクトです。

体育館には色とりどりの鯉のぼりが並び、生徒たちには無地のトートバッグとボンド、ハサミが配られました。ミヤタ先生の合図で制作が始まると、約190人の生徒が一斉に鯉のぼりのもとへ集まります。目の部分や鱗の生地を選び、切ったり割いたりしながら、素材を集めていきます。素材が行き渡ったあとは、それぞれの席で制作に取りかかります。

選んだパーツを組み合わせながら、トートバッグを仕上げていきました。気づけばあっという間に終了の時間。
体育館には、生徒一人ひとりが完成させたトートバッグが並びました!
同じ鯉のぼりから生まれた素材でも、仕上がりは一つひとつ異なっていました。

前半の講演では、アートに関わる仕事や歩みを通して、つくる人だけでなく、支える人、つなぐ人といった多様な関わり方が紹介されました。
後半のワークショップでは、制作が始まった瞬間から生徒たちの集中力と創造性が一気に高まり、それぞれが全力で楽しみながら、思い思いのトートバッグをつくり上げていきました。
完成したバッグを手にした生徒たちの表情は明るく、この時間そのものを楽しんでいたことが伝わってきました。

浦安藝大のキャリア教育では、アートに限らず、先入観によって自分の可能性を狭めてしまわないことを大切にしながら、浦安の子どもたちが自分の将来を考えるための「選択肢」に出会う機会をつくっていきます。

▶︎「SCOI- 水府コイノボリプロジェクト -」について、詳しくはこちら