この一年間、アーティストと市民がともに重ねてきたアートプロジェクトの成果を展示する「浦安藝大アートウィーク」が終了しました。お越しくださった皆様、展示された作品やプロジェクトに関わってくださった皆様、本当にありがとうございました!

浦安藝大の2025年度の歩みは、多彩な展示となって新浦安のまちに現れ、駅周辺の各所で来場者を迎えました。見慣れた風景の中に点在する作品を巡りながら、大人も子どももスタンプラリーを手に、まちを歩き、立ち止まり、楽しむ姿が会期中多く見られました。

展示には作品そのものだけでなく、関わった人々のつながりや、まちへの問いなど、アートプロジェクトが育んできた成果とそのプロセスが現れています。アートというレンズを通してまちをのぞくことで、浦安の中にあった多様なつながりが、確かなかたちとして立ち上がったのではないでしょうか。以下では、展示の写真とともに、浦安藝大アートウィークの風景と、その中で生まれた時間を振り返ります。

浦安藝大アートウィーク「まちを覗(のぞ)けば、なにが見える?」
会期: 2026年1月16日(金)〜1月25日(日)
時間: 10:00-17:00 (※展示時間は各商業施設の営業時間によって異なります)
場:新浦安駅周辺の4エリア
入場無料


目次 

アトレ新浦安エリア
新浦安駅南口駅前広場エリア
MONA新浦安エリア
イオンスタイル新浦安エリア


総合案内所:新浦安駅南口階段下

浦安藝大アートウィークの総合案内所。今回はじめて期間限定でオープンした場所だったため、会期中迷われた方も多かったのではないでしょうか。
こちらではパンフレットの配布のほか、スタンプラリーの景品交換や、日比野学長による「URAKKO LAB」「ウラッコくん」のイラストの原画を展示していました。
沢山のご来場、ありがとうございました!

-アトレ新浦安エリア

📍1階ガーデンテラス
「Field of Feast」 樫村芙実+蓮溪芳仁+樫村研究室

普段は見過ごしている風景を建築的な視点でじっくり観察し、新たな意味を発見していくプロジェクト。11月のイベント「道庭祭」で制作されたダイニングストラクチャ―2種類を展示しました。テーブルの上には書き込み自由な浦安の地図も。アトレを訪れた人たちがくつろぎながら、自然と浦安のまちについて考えていく空間になっています。


「イス to ベンチプロジェクト」

イスをつくり、居心地の良い場所へ置いてみるプロジェクト。ひとりで作ったイスは、繋げるとみんなで座れるベンチになるように設計されています。会期中、自然と付近のテーブルに座るのに移動したり、作品と意識せずに座っている人もいれば、イスの使われ方は多種多様。ベンチがまたイスに戻り、またベンチになり、、と、作品のあり方やイスの居場所がゆるやかに変わっていく様子が印象的でした。


📍1階 店舗仮囲い
「みんなのうみ」

「浦安の未来の海」を想像しながらカラーフィルムを切り取り、海をイメージして貼り合わせて、かつて海だった場所に「想像の海」を出現させるプロジェクトです。2024年度に始動し、現在までに約6,000人の市民が参加しました。今回はアトレの1階の仮囲いの壁に展示。お客さまだけではなく、そこを通る従業員の方も目を止めている姿が会期中見られました。

-新浦安駅南口駅前広場エリア

📍階段下(総合案内所奥)
「5.5m地下と地上のアンサンブル」 坂本恭隆

北栄地区の5.5m道路を使い、子どもたちと曲を作ったワークショップ。色々な道具で道路を叩いたり、地中に響く音や地下用排水路の音が録音された曲が暗室となった展示室に響いています。床に投影されているのは、水面のような映像。暗い空間と5.5m道路の暗渠とのつながりや、暗渠の下を流れる水が作り出す立体的なイメージが面白いです。

📍改札出口付近
「頭おにぎり」 からす

3人1組で「頭だけを使っておにぎりをにぎる」ワークショップを実施。不自由さや偶然性を前向きにとらえ、子どもが他者との関係や感覚の違いに気づくきっかけになりました。アートウィークでは、ワークショップ中に制作されたおにぎりを模したオブジェがなんと新浦安駅前に登場。おにぎりの周りには、ワークショップ参加者の頭の写真が4方向からおにぎりを囲むように柱に展示されています。頭上に現れたおにぎりに突然気づいて驚く人、ジャンプする子どもが会期中多く見られました。


📍新浦安駅前ステージ
「みんなのうみ」

「浦安の未来の海」を想像しながらカラーフィルムを切り取り、海をイメージして貼り合わせて、かつて海だった場所に「想像の海」を出現させるプロジェクト。2024年度に始動し、現在までに約6,000人の市民が参加しました。新浦安駅前ステージに、約1年ぶりにまたみんなのうみが現れました。昼は日光できらめき、ステージの床にカラフルな影が落ちています。夜はイルミネーションに照らされ、また違う”うみ”の表情を見せてくれました。

-MONA新浦安エリア

📍A館2階 コーヒーショップ横
「拡張するファッション演習」西尾美也+林央子

ファッションとコミュニケーションの関係性に着目したプロジェクト。ファッションデザイナーであるキム・ソヒがワークショップで市民と制作した服を展示しました。商業施設にある一見普通のマネキンかと思いきや、よく見てみるとディテールの多さに驚く人も。「この服はどうなっているの…?」とつぶやいて近づく方もいらっしゃり、このワークショップの思考の入り口に立っている瞬間を偶然見ることができました。

-イオンスタイル新浦安エリア

📍2階 ペデストリアンデッキ内側
「つながりの器」

浦安の土を用い、親子や友人と手を重ね合わせ、その形を粘土で写し取り、大切な人とのつながりを形に残すプロジェクト。本展では「つながりの器」を、浦安のつながりが咲かせた”花”に見立てて展示しました。ニューコースト、MONAと巡回してきた展示も、今回がラストです。2月には作者の方への返却会も行う予定です。

「みんなのうみ」

「浦安の未来の海」を想像しながらカラーフィルムを切り取り、海をイメージして貼り合わせて、かつて海だった場所に「想像の海」を出現させるプロジェクトです。2024年度に始動し、現在までに約6,000人の市民が参加しました。イオンに飾ってあるのは1月10日に展示場所の横で実際にこどもたちと完成させた新たな”みんなのうみ”です。お天気のいい日は1階から2階を見上げると本当に海と空が広がっているようにも感じられます。エスカレーターから目と留める人が多かったのも印象的でした。

📍3階 こどものあそびば横
「うらっこでつむぐ絵本づくり」 上原加菜

市内の特別支援学級の小学生たちが描いた絵をもとに浦安の子どもが物語を考え、点字を打って絵本をつくるプロジェクト。アートウィークでは完成した絵本7冊のほか、額装された原画やワークショップのプロセス、自分で絵から物語を作ってみる体験型の作品も展示されました!


「浦安考現学ー水際から未来へー」 奈木野祥仁

浦安の水辺環境を「観察・行動・表現」の3段階で体験するワークショップを実施。水辺空間の魅力や課題を発見し、河川・海岸の利活用について考えるプロジェクトです。なんといっても目に飛び込んでくるのが浦安の護岸の巨大な模型。天井から水をイメージさせるような白い紙が床までゆったりと落ち、その間に浦安の土地と護岸と海があります。こちらも浦安のうみや河川の未来について考えてみるコーナーが設けられ、イオンを訪れた親子のお客さまが展示を何周も見ながら考えている姿が印象的でした。


「浦安藝大 写真展」

これまでの活動を記録した写真を通して、アートが浦安のまちに生まれる瞬間をたどります。子どもたちの笑顔、地域の人との対話、制作の風景。その一枚一枚が、アートとまち、人と人のつながりを映し出しています。写真の中に自分の姿をみつけたり、知ってるまちなかで行われていた過去のイベントの写真を見て興味深そうにじっと見つめる人が多くいました。


📍4階
「オトカタライ」 市川友佳子

それぞれが自由に全身で音の振動を感じ、言葉に頼らない音の対話を体験できるインクルーシブな場をつくるワークショップ。音楽は、誰もが今自分にできるところから参加でき、作品を創る過程を楽しむことができます。ワークショップの様子を映像と音で展示しました。普段過ごす場所に響くオーケストラの音が心地いい違和感を作り出していて、通りすがりの人が思わず足をとめ、そして風船に手を当てながらマットの上で合奏を聞いている映像に興味を持ち、キャプションを読むために近寄る姿が多く見られました。

スタンプラリーも実施しました!

浦安藝大アートウィーク期間中には、スタンプラリーも実施しました!
新浦安駅周辺に点在する展示を巡りながらスタンプを集め、10個すべてそろえると、総合案内所で、東京藝術大学・日比野克彦学長がデザインした「URAKKO LAB」のロゴ、または「ウラッコくん」をかたどったプラ板を受け取ることができる企画です。プラ板は、好きな色を塗って焼くことで、世界にひとつだけの浦安藝大オリジナルグッズとして完成します。

会場では、子どもや学生はもちろん、大人から高齢者の方まで、浦安藝大アートウィークのパンフレットを片手に、スタンプラリーを楽しみながら展示を積極的に巡る姿が多く見られました。作品を「見る」だけでなく、まちを歩き、体験し、持ち帰って楽しむ——そんなアートとの関わり方が、世代を超えてまちの中に広がっていく様子が印象的でした。
ご参加くださった皆さま、そして浦安藝大アートウィークをともにつくり、支えてくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。

浦安藝大アートウィークの展示やワークショップの様子は、浦安藝大公式インスタグラムでも発信しています。ホームページには載っていない写真もあるので、合わせてぜひチェックしてみてください!

撮影:河津晃平